こんにちは、ジャッキーです。
今回は、映画「ジョーカー」について評価・感想・考察をお伝えします。
まず、映画「ジョーカー」は、今まで観たどのジョーカーの映画よりリアルにジョーカーの内面や葛藤を描いた名作だと思います。
なので、私の評価としては、「非常に良かった☆☆☆☆☆」です。
主人公アーサーが徐々にジョーカーに変身していく過程が、俳優の演技力もあり圧巻でした。
目次
映画「ジョーカー」を観た率直な感想
私がジョーカーを見て率直に感じているのは、この映画は今後の歴史に残る傑作のひとつに違いないという事です。
失うものがない「無敵の人」は今や日本に止まらず世界中で社会問題となっています。
本作はそんな社会問題となっている「無敵の人」に強くフォーカスした作品だと私は考えます。
この頃の世界市場は混沌に満ちております。
本作で語られる年代と現在で時代が一巡したかのような感覚がある中で、この映画は「自分ももしかしたらジョーカーなのではないか」と少しもの哀しげなテーマを観客に残します。
個人的な感覚としては、この映画を見終わった後に感じたのは、「久々に映画らしい映画を見たな」というものでした。
ただし、若干モヤモヤとした気持ちが残ったのも事実です。
モヤモヤとした気持ちとは、ジョーカーこと、アーサーの気持ち、例えば辛さや哀しさ、憎悪に共感することも可能だと感じる反面、非人道的なアーサーの行動に恐ろしさを感じ、共感することができないとも思ったことからきています。
精神が健康でない状態で見てしまうと、大きく影響を受けるような作品であると感じました。
ジョークで多くの人を楽しませて笑顔にすることを願ってきた男が、理不尽な目に遭い続けた結果、狂気にとらわれるというのが、映画「ジョーカー」の主たる内容です。
笑顔が半ば強要されがちな今日、そして、いじめがはびこる今日、ジョーカーになり得る人が多いのではないかと考えます。
現代社会の暗部をさらけ出した映画で、そうした意味からも心が寒々としました。
見終わった時に凍りつく映画です。
だれも幸せにならない世界で、皮肉もたくさん混じっている映画でした、監督のカットや音楽のチョイスなど全て世界観に合っており、今までとは違う「ジョーカー」を観ることができるでしょう。
怖い場面もありますが、アーサーがジョーカーとなっていく過程がリアルで、興味深い奥の深い映画なのでお勧めします。
主人公アーサー役を演じたホアキン・フェニックスの演技は、マジで素晴らしいです。
#ジョーカー 観てきた。色々な想いが脳裏をよぎった。
心優しいアーサーの哀しみに満ちた笑い声が胸に突き刺さった。
彼がとった行動を肯定するつもりはないけれど、でも、彼の生い立ちや境遇は、あまりにもむごい。
正直な感想を一つだけ選べと言われれば、俺は「かわいそうなアーサー」と言いたい。 pic.twitter.com/MyR1QNUKVy— KEN48 (@no9alex13) November 17, 2019
映画「ジョーカー」のあらすじ※ネタバレあり
※以下はネタバレありのあらすじなので、まだ観ていない方は飛ばしてください。
あらすじ
映画「ジョーカー」は、バットマンの宿敵ジョーカーの誕生秘話を物語るものだ。
巧みな話術で心理戦を武器に敵を翻弄するジョーカーは、いかにして生まれたのか?その背景を明かすのが映画「ジョーカー」である。
貧しい家庭で生まれ育ち、ピエロとして働く主人公アーサー。
突然笑い出す不気味な持病を持っていて周りと上手く人間関係を築く事が出来ず、まともな職に就く事も出来ないため母と二人孤独な日々を送っていた。
そこへ度重なる不運と不幸が重なり、アーサーの社会への憎悪が極限に達したところで人殺しをしてしまう。
社会の貧困層の不満も限界に達していて、富裕層の若者を殺害したアーサー(のちのジョーカー)は弱者の味方としてある種のヒーロー的存在となる。
貧しく気弱な若者アーサーが猟奇殺人鬼ジョーカーとなる過程を描いた作品である。
アーサー・フレッグは、人付き合いが苦手な少年だった。彼に母親は、「いつも笑顔でいなさい」と教えた。
母親の言葉を忠実に守ったアーサーは、コメディアンを目指す。
しかし、ピエロの格好をして街に立った時、少年たちに看板を壊されてしまう。
そして、地下鉄で暴力に振るわれる。
理性の留め金が外れてしまった彼は、笑いの仮面を被った悪の権化と化すことを決心する。
彼は生まれつき障害を持っていて緊張をすると笑ってしまうという障害を持っていた。
面白いことや幸せなことがあるわけでもなく突如として大変楽しそうに笑いだす、その不気味さ故に人々に受け入れられなかった。
自分にとってはこれが普通、だというのに世間は彼を異常だとみなしたのだ。
貧しい生活ながらも彼はコメディアンになることを夢みていた。
そんなある日バイト先クビになってしまった。
帰りの電車で3人の男に絡まれていた女性を救うため彼はいきなり笑いはじめた。
それがきっかけで彼らに襲われてしまい誤って隠し持っていた銃で彼らを撃ってしまう。
そこから彼の世界が変わり始めた。
彼が打った男性はビジネスマンであり、貧しい人々は裕福層を敵視していたため次第に地下鉄で射殺したピエロを英雄化した。
また実はアーサーは実の子ではなかったことがわかり、母のことを信用できなくなった最中母が脳卒中で倒れているなか彼女を枕で窒息死させてしまう。
彼が盛大に滑ってしまったコメディーショーが、人気司会者マレーの目に止まりテレビに出ることが決まった。
アーサーはその司会者が唯一彼の才能を認めてくれたと感じていた。
アーサーは自分がビジネスマンを殺してしまったことをスタジオで伝えるが、マレーが自分を馬鹿にしたと思い彼を拳銃で撃ってしまう。
彼を英雄として称えていた市民暴走し始めた。
すぐに警察に捕まってしまったアーサーだが、パトカーの中からで市民の暴走化を見て笑ってしまう。
そんなアーサーに気をとらわれていた警官は、他の車と衝突事故に遭い警官は死んでしまった。
アーサーは衝突した車から出来てたピエロ達に助けられ、彼らに祝福された。
ラストシーンでは収容所でカウンセリングを受けているシーンで、その部屋から出て行ったアーサーの足跡には血がついていて物語は終わる。
主人公アーサーは将来バッドマンの強敵となる「ジョーカー」に変貌する。
ジョーカー 感想
久しぶりにアニメ以外の映画見たけど凄かったです。
拳銃を貰ったことがまさしくトリガーになったけどそれが無かったらアーサーはジョーカーにならなかったかもしれないってのも良かった。
俳優さんの演技凄いね、どこまでが妄想か分からないストーリーも相まって凄く良かったです。 pic.twitter.com/9UM3f98HIH— 理不尽な猫 (@rihuginnaneko) November 16, 2019
映画「ジョーカー」を観た中で印象に残ったシーン
ジョーカーの猟奇的な側面がメインではなく、主人公アーサーがジョーカーとなっていく苦しい過程を内面的にアプローチしていたところが良かったと思います。
ホアキン・フェニックス演じるアーサーが、病によって幸せそうな表情で、苦しそうに笑う演技がとても不気味で、かつ哀しさを感じ、とても印象に残りました。
その場面の中でも、特にバスでのシーンが強く残りました。
笑ってしまった彼に対してアーサーが笑わせた子供の母親が、何がおかしいのかと問い、彼が病の説明をするカードを差し出たシーンです。
笑いながらも彼が発した”I’m sorry.”は今でもはっきり覚えてます。
次に、テーマソングがジョーカーのバックグラウンドとリンクしていることが、一番印象に残っています。
映画「ジョーカー」のテーマソングは、映画「モダン・タイムス」でも使用されている「スマイル」です。
映画「モダン・タイムス」の主人公チャーリーは、懸命に働きますが、労働への対価を得る事なく、蔑ろにされます。
しまいに、自動給食マシーンの実験台にされ、精神的に病んでしまいます。
主人公のたどる軌跡が、両作品は絶妙にリンクしており、その点に感心しました。
最後に、私が本作「ジョーカー」を観る中でもっともかっこ良くそして美しいと感じたシーンは警察から逃げ、電車の中に飛び込むシーンです。
大量のピエロの中に紛れ込み身を広める主人公の姿や本作品そのものの演出は、まるでヒーロー映画のようで圧倒されました。
また、このシーンの次に最高だ!という気持ちにさせられたシーンは、本作ラスト付近で主人公が満足そうな笑顔で車の窓ガラスから外を眺めているシーンです。
あまりにもさわやな姿であることから、よくやったなジョーカー!と応援したい気持ちにさせられました。
特に彼が警察から逃げるなか階段で踊ってるシーンは、狂気的でもありかっこよくもありなんとも言えない感情になりました。
また音楽もそのシーンごとにあっていて、より一層ジョーカーの世界観がリアルに感じました。
感想を言葉にするのが難しい作品…最初から最後まで緊張感があり、観終わった後の悲哀と高揚感がまだ残ってる#ジョーカー #Joker pic.twitter.com/1kxN0fMSaR
— 🖤 (@MN0309___) November 12, 2019
映画「ジョーカー」を観終わった私の考察
私は、ジョーカーがジョーカーにならない道があったとして、それが本当に彼にとって幸せだったのかを本作鑑賞後に考えました。
この映画はジョーカーが誕生するまでの物語ですが、本作最初の主人公は決して、悪ではなく、劣悪な環境に居ながらも善良な一般市民として生活をしています。
しかし、彼が幸せな表情を見せるのはジョーカーとしての姿に近づいてからです。
ジョーカーとなる前の彼の笑顔、ジョーカーとなった後の彼の笑顔は全くの別物です。
金と地位があるものに対してのリベンジや恨みが、切実に描かれている映画だと強く感じます。
自分の才能を開花させたかったが、周りの辛い反応が追い詰め、ついには悪人化せざる終えない状況になり、社会に知らしめるためには、悪の道を行かなければならなかった社会批判の映画と感じました。
何のコネもなく教養もない人間は、ねずみのように生活しないといけないのか、しかし、社会に注目され、怖がらせることで、自分の地位を認めてもらいたいと感じさせる、はかない人生観を示しています。
ジョーカーに出てくる話は一部彼の妄想でもあったことから、この話は彼の妄想の世界だという考察もできるでしょう。
次に、アーサーに対しての人々の対応に焦点を当てたいと思います。
彼をぞんざいに扱う人々は、自らよりも彼を下のものとして認識している者たちだと感じました。
明らかに自分より下だと感じた人間に対しては暴力を振るったり、笑い物にしたりと何をしてもいいと思っている人々に対する反抗だと考えました。
また、日本でこの映画が流行っているのはそこが一番のポイントだと考えます。
今の日本はいわゆる上級国民の方々に下のものは搾取されるばかりです。
そんな日本に疑問を持っている人々がジョーカーに共感してしまうのではないでしょうか。
社会に不満を抱えている人はたくさんいるため、ジョーカーのような存在はいつ、どこでも現れる可能性があると感じました。
特に今世界中でナショナリズムや貧富の格差が問題となっているので、ジョーカーが生まれやすい時代だと思います。
現代社会は、笑顔を強要しすぎです。
自然に出る笑顔は尊いですが、笑顔で接することを他人に強制しすぎなかもしれません。
そのため、笑顔を向けても自分に何の得にもならない人には、反動のように不機嫌になります。
そうしたいびつな構造が、人間を狂気にさせるというようにも、映画「ジョーカー」は考えさせます。
母親に笑顔でいることを教え込まれた少年は、人付き合いが苦手だったために、他人との接点に笑顔が不可欠だと思い込んでしまいます。
しかし、自分の努力が実らなかったことで、彼は悪への道を決心します。
映画「ジョーカー」は、いわゆる常識への警鐘です。
「JOKER 」を観てきました🎥
恐怖、悲しみ、感動...様々な感情を掻き立てる映画でした。この感想は言葉じゃ表現しにくいです💦
でもホアキン・フェニックスらの演技や音楽などは圧巻でした‼︎1つの芸術作品として素晴らしいです。 pic.twitter.com/c1PXeGZCfQ— ノリ (@ekQerV8eascjm4v) November 10, 2019
映画「ジョーカー」は非常におすすめ:心に強烈な印象を与えてくれる
映画「ジョーカー」は、観終えた後に、なんとも言えない気持ちになる映画です。
ハッピーエンドとも言えないし、バッドエンドでもない映画と言えるでしょう。
ただ、今現代を生きるにあたって観る価値がある映画だと少なくとも私は感じます。
また、この映画考察する点が沢山あります。
そのため、友人や恋人と観てその後各々の考えたことを言い合って考えを深めることもできます。
そして何と言っても俳優の演技にとても引き込まれます。
とても複雑な感情をあそこまで演じることができるなんて、やはり俳優というお仕事はすごいものだと感じます。
1人でも、誰かとでも、誰とでも観ることができる映画です。
特に、人付き合いに笑顔が不可欠との強迫観念に囚われている人に観て欲しいと思います。
自然に笑顔になれる状況を作ることこそが大切であって、気持ちが落ち込んだり、笑顔になれない時があるのは人間なら当たりなのです。
そうした時にまで「元気!元気!笑顔でいよう!」というように無理強いすると、ジョーカーのように相手を狂気に追いやることもあるのかもしれません。
ジョーカーは、自分のマイナス感情を無理やり押さえ込みすぎたために、自分の努力が実らないと知らされた瞬間、悪への道を歩みます。
そうならないためには、笑顔を強要しないことが大切だと学ぶことができます。
私がジョーカーを知人におすすめする場合は、率直にこの映画は今後数十年と語り継がれる歴史ある映画であるということをお伝えします。
いつかのタクシードライバーであり、いつかのファイトクラブ、いつかの時計仕掛けのオレンジ、いつかのキングオブコメディ、であり、そして本作品にそれらの映画史に残る傑作の数々の片鱗がちりばめられいることを熱弁するでしょう。
また、加えて情報を付け足すとするならば私はきっとここ数年で観た映画の中でも、本作が最も心に残っている映画になりました。
※映画「ジョーカー」を観たあなたの感想も、ぜひコメント欄より教えてください。
あなたがこの映画を観てどう感じたのかを知りたいです!よろしくお願いします。
今更ながら『ジョーカー』を観た。隣に並んで座っている女子高生3人は観終わったらどんな感想を言うのだろうと楽しみに耳をすませていたら、「可哀想だけど仲間増えたからよくね?カラオケ行こ」だった。強い。
— ミワ (@Not_sanrinsya2) November 14, 2019
ジョーカーが、いつもノートにコメディアンとしてのアイディアや自分を見つめ直す言葉をノートに書き留め、トークショーでその一部を披露するところ。いかにも自信に満ちて、皆の注目を浴び、ジョーカー誕生の前の人間らしい一面を見られたシーンが良かったです。
母の介護に追われながらも自分の特性を活かして、ピエロとしての生活を人生のモチベーションとしていた病んだ主人公。社会と自分との溝に苦しみながらも、強くもがきあがき、生きることが本作の始まりのシーン。
劣悪な環境に負けることなく必死で生きていくところに、共感を覚えました。